Lupinchen-お友だちのほしかったルピナスさん
絵本との出会いは 今でも私の世界観を作り、人生を支えてくれるものですが、この一冊は特に大事にしています。
20歳になったころ、旅先の高原にある 小さな小さな美術館に偶然はいったところ、とある作家さんの原画展をやっていました。。
そこで、この絵の女の子を見て、
即座に ’あ、私知っている’と思いました。
しかし、何故自分がこの女の子を知っているのか、どこでだったか、いつだったか全く覚えがありません。
ただ、この人は’ルピナスさんという名前だ’ということはわかっていました。
でも、なぜ、どこで知ってたのか全く記憶にないのです。
はがきを一枚求めて、原画を描いた人の名前を書きとめました。
まだ、その頃はインターネットは日本ではメジャーではなくて、留学先のアメリカの大学から、その人の検索をかけて、出てきたのがこの本です。絶版でしたので、中古で英語版を求めました。原作はドイツ語です。
今思うと、これは私が小さいころ、よく図書館で母が借りてくれたものなのだと思います。
本を開けたら、その時の気持ちや、読んでいた場所-南側の窓辺のテラスのところ-までざあっと思いだしました。
物憂げで、静か。
なのにぬくもりがあって、ファンタジックな絵の中で、私もともにそこにいられるような、そんな本。
お説教や、なんだかいい話だねとか、そういうタイプのものではなく、寂しいかんじもするのですが、大好きでした。
一生に何冊か、そんな本とめぐり逢えたらとても素敵です。