ねずみ女房/ルーマー・ゴッデン
児童書です。
あるところに、家から一歩も出ず、生涯もきっとでることもない、毎日子どもの世話と、えさ集めと、夫の世話のみに一生をついやすであろう、そんなめすのねずみがいました。
しかし、そのねずみは何かほかのネズミと違っていました。
違っていたのは、’ここ以外にも、外にはなにか自分のしらない世界があるのではないか’
と心のどこかで思っているところでした。
そんなめすねずみの棲みつく家に、鳥かごにとらえられた一羽のハトがやってきました・・・。
読む年代、今自分がどの時代に生きているのか、などによって、心に響く箇所は違うと思います。
前にレビューで
そして、ねずみ女房は星を見た〈大人が読みたい子どもの本〉/清水 眞砂子
について書きましたが、
この方(たぶん60代)の響く場所と 私が響く場所は違います。
それは 女性の生き方が年代によってずいぶん違っているからでしょう。
きっとここ30年で急激に変わったのだ、と思います。
私は、めすねずみが鳥かごを自分がぶら下がることであけてやろうとする勇気、に打たれました。
白黒なのですが、挿絵も夢のようで、美しいです。