アメリカのありふれた朝 (集英社文庫)/ジュディス・ゲスト
引っ越しの荷物から取り出して読んでしまった一冊。持っていけないので・・・サヨナラする前に。
1970年代のベストセラー小説、映画 もあります。”Ordinary People"が原題。
どこにでもあるアメリカの中流家庭。家族の中に交錯する、それぞれの思いと、思いやり。
それがいつの間にかお互いをがんじがらめにしていく。だましだましやっていたのに、ある日破れ目ができてくる・・。
そんな家族の崩壊と、それぞれの出発を、長男コンラッドと心理療法家とのやりとりから紡いでいきます。
似たような、夫婦のすれ違いや、内的なズレを書いたもので、私が気に入っているのが
クリスティの
貞淑で従順な妻と、その夫との内的なズレ。
ズレというよりも、本来一度でも交わっていたことがあったのだろうか?
クリスティは推理小説が有名ですが、そっちよりも、心から冷えびえできます。