預言者 /ジブラン カリール
- 聖書の次に 世界で読まれている(本当か?)らしい本です。 著者はレバノン人。
私は学生時代に出会いました。これは引っ越しても捨てられないなー
賢者アムルスタファは とある島に逗留していました。
ある日、彼は旅立つことになり、アムルスタファを慕う島民が、賢者に言葉を求めます。
”結婚について”
”愛について”
”悲しみについて”
”善と悪について”
・・・・。
島民が問うのは、人間にとって普遍なテーマばかりです。
場所、時代が違っても、同じなんでしょうね。
ひとつ、”子どもについて” を紹介します。
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そこで、子供を胸にかかえた女が言った。お話ください。子供のことを。
アムルスタファは言った。
あなたの子はあなたの子ではありません。
自らを保つこと、それが生命の願望。そこから生まれた息子や娘、それがあなたの子なのです。
あなたを通してやって来ますが、あなたからではなく、あなたと一緒にいますが、それでいてあなたのものではないのです。
子に愛を注ぐがよい。でも考えは別です。
子には子の考えがあるからです。
あなたの家に子の体をすまわせるがよい。でもその魂は別です。
子の魂は明日の家に住んでいて、あなたは夢のなかにでも、そこには立ち入れないのです。
子のようになろうと努めるがよい。でも、子をあなたのようにしようとしてはいけません。
なぜなら、生命は後へは戻らず、昨日と一緒にとどまってもいません。
あなたは弓です。その弓から、子は生きた矢となって放たれていきます。
射手は無窮の道程にある的を見ながら、力強くあなたを引き絞るのです。
彼の矢が 早く遠くに飛んでいくために。
あの射手に引き絞られるとは、何と有難いことではありませんか。
なぜなら、射手が、飛んで行く矢を愛しているなら、留まっている弓をも愛しているのですから。